採用の進め方

海外経験のある帰国料理人の採用方法

日本にいる、海外経験のある料理人を海外店舗や海外の和食店に採用する方法。経歴タイプ別の見極め方、出会う経路、書類と照会スクリプトによる確認方法、再び海外に送るときのビザの注意、給与の考え方を整理しました。

最終更新 2026年9月27日 WashokuJob

すでに海外で働いて日本に戻った料理人は、海外店舗や海外の和食店にとって有力な候補者です。ただし「海外経験」はそれ自体が肩書きになるものではなく、確かめるべき一つの属性として扱ってください。書類と、元の勤務先への照会で実際の中身を確認し、もう一度海外に送る場合は以前のビザのルートがそのまま使えるかを確認し、給与は本人が海外で得ていたと記憶している額ではなく、日本国内の相場を基準に考えます。

このページは、日本国内で採用して海外店舗に送りたい外食企業と、すでに海外経験のある、日本にいる料理人を採用したい海外の和食店オーナー向けです。海外経験の見極め方と確かめ方、出会う経路、もう一度海外に送るときのビザと給与の論点を扱います。日本国内の料理人に一般的にリーチする方法は日本人料理人はどこで海外の求人を探すかと日本国内の採用チャネル比較に、採用全体の流れは日本人料理人の採用の進め方にまとめています。

目次

  1. 「帰国料理人」とはどんな人材か
  2. どこで出会うか
  3. 海外経験の中身を確かめる
  4. 採用する側から見た強みと注意点
  5. もう一度海外に送るときのビザの注意
  6. 給与の考え方

1. 「帰国料理人」とはどんな人材か

ひとくちに海外経験者といっても経歴はかなり違い、海外で働いて帰国した料理人の数を示す公的な統計もありません。面接の前に、どのタイプかを把握しておくと話が早くなります。

タイプよくある経歴採用時に確かめたい点
海外店舗の料理長・副料理長経験者日本の会社から出向、または現地採用で数年勤務立場(料理長か、その下か)、現地スタッフの人数、担当した業務の範囲
ワーキングホリデー経験者20代で1〜2年、現地の和食店で勤務実際の担当業務(調理か、ホールか)、勤務期間
海外の日本食レストランの立ち上げ経験者開業準備から関わり、数か月〜数年で帰国開業前後に担当した範囲、仕入れ・衛生対応の経験
海外のホテル・ケータリング経験者ホテル内の日本料理店、宴会部門など大量調理と個店の違いへの適応

同じ「アメリカで5年」でも、料理長として現地スタッフ10人をまとめた人と、日本人料理長の下で寿司場に立っていた人では、初日に任せられる仕事がまったく違います。どちらにせよ市場は薄く、厚生労働省によると2026年7月の飲食物調理従事者の有効求人倍率は2.18倍で、全職業の1.05倍を大きく上回っています。見込みのある人を見つけたら早く動いてください。

2. どこで出会うか

海外経験のある料理人は、帰国後しばらくは次の仕事を急がず、情報を集めていることが多い層です。日本国内の料理人に一般的にリーチする方法は日本人料理人はどこで海外の求人を探すかにありますが、帰国料理人ならではの経路は次の3つです。

求人票には「海外経験者歓迎」と書くだけでなく、どの国の、どの規模の店での、どの立場の経験を評価するかを具体的に書くと、合う人から応募が来やすくなります。書き方は海外求人票の書き方を参考にしてください。

3. 海外経験の中身を確かめる

海外の職歴は、日本の職歴よりも確認しにくいのが実情です。共通の業界ネットワークで照会できるわけではなく、肩書きもそのままでは日本の基準に置き換えられません。書類、照会、実技の順に確かめてください。

裏付けとなる書類

海外の元勤務先への照会スクリプト

本社の人事担当ではなく、実際に日々マネジメントしていた上司に連絡し、日本時間ではなくその上司の営業時間に合わせて設定します。言語が共通しない場合は、通訳の手配を候補者に依頼してでも照会自体は行ってください。次の3つの質問で、盛られた肩書きはすぐに見えてきます。

英語(通訳を介す場合の想定質問)
1. "In their first three months, what could they do on their own station without you checking it?"
2. "How many staff did they train or directly supervise, and in what?"
3. "What is one thing you had to correct or push them on?"

日本語
1.「最初の3か月で、確認なしに任せられていた業務は何ですか。」
2.「何人のスタッフを、何について指導・監督していましたか。」
3.「直さなければならなかった点、指摘したことが一つあるとすれば何ですか。」

3つ目の質問への答えが曖昧だったり口ごもったりすること自体が、一つの手がかりになります。日本側の経歴を海外向けに証明する書類は日本の料理人のリファレンスチェック、証明書類は卒業・在職証明の英文作成を参照してください。

実技

最後は面接だけでなく、包丁と味で判断します。遠隔で行う場合の方法は遠隔での実技試験にまとめています。

4. 採用する側から見た強みと注意点

強み

注意点

5. もう一度海外に送るときのビザの注意

帰国料理人を「海外経験があるから、すぐまた出せる」と考えるのは早計です。ビザは人ではなく、その時の雇用主と仕事に結びついているからです。

一方で、過去の職歴そのものはビザの申請で役に立ちます。オーストラリアの482ビザでは1年以上の職務経験が求められ、米国のO-1では受賞歴やメディア掲載などの実績が審査されます。上記のチェックリストにある書類を、本人に手元で保管しておいてもらうよう伝えてください。国ごとの制度は料理人のビザスポンサーの基本で比較できます。

6. 給与の考え方

帰国料理人の給与は2つの基準の間で決めることになりますが、確認できるのは一方だけです。

日本で採用してから海外に送る場合は、出向中の給与と帰任後の給与を分けて提示すると、話がかみ合います。また、国税庁の質疑応答事例では、1年以上の予定で海外勤務に出た人は出国の時から所得税法上の非居住者として扱われるとされています。手取りに影響するので、赴任期間の見込みも含めて説明してください。給与の組み立て方は海外勤務料理人の給与設計、出向と現地採用の違いは海外赴任と現地採用の比較で扱っています。

変わる数字:厚生労働省の有効求人倍率(毎月)と賃金構造基本統計調査(毎年春)、カナダ・英国のワーキングホリデー枠(改定のたび)。2026年9月27日確認。

よくある質問

海外で働いて帰国した料理人はどれくらいいますか。

公的な統計はありません。参考になる数字としては、2025年10月1日時点の海外在留邦人は1,298,170人(外務省)、日本とワーキングホリデー制度を結ぶ国・地域は2026年4月1日時点で32か国・地域(外務省)ですが、料理人だけの内訳は出ていません。

帰国料理人は同じビザのルートですぐまた海外に出せますか。

自動的にはできません。多くの就労ビザは特定の雇用主と職務に結びついているため、別の雇用主のもとでは改めて申請が必要です。ワーキングホリデーも年齢制限があり(英国・カナダとも日本人は18〜30歳)、英国の新規シェフスポンサーのように、過去の経験にかかわらず事実上閉じているルートもあります。

海外での肩書きの申告をどう確かめればよいですか。

在留カードやビザスタンプ、雇用契約書、直近の給与明細を確認したうえで、本社の人事ではなく実際にマネジメントしていた上司に照会します。最初の3か月で確認なしに任せられていた業務と、直さなければならなかった点を尋ねてください。2つ目の質問への答えが曖昧なこと自体が一つの手がかりです。

帰国料理人はどこで次の仕事を探していますか。

帰国後も海外勤務に特化した求人媒体を見続けている人が多く、海外で一緒に働いた人とのつながりを保ち、中にはSNSで発信している人もいます。日本国内の料理人に一般的にリーチする方法は日本人料理人はどこで海外の求人を探すかにまとめています。

帰国料理人の給与はどう決めればよいですか。

本人が海外で得ていたと記憶している現地通貨の額ではなく、国内の相場(厚生労働省2025年6月分で月286,600円、賞与含む)を起点にしてください。海外の手取りは為替と物価を抜きにしては公平に比べられません。

本記事は一般的な情報であり、法律・税務・移民に関する助言ではありません。数値と制度は2026年9月27日時点で各省庁と各国政府の公表資料から確認したものです。個別の判断は専門家にご相談ください。

出典

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