市場データ・制度

アジアの日本食レストラン数【国別】採用データ2025

農水省2025年調査のアジアは約11万2,400店で1割減。ただし減少は中国だけ(−19%)で、それ以外は13%増。国別の採用シグナルと各国ガイドへのリンク付き。

最終更新 2026年9月27日 WashokuJob

農水省の2025年調査によると、アジアの日本食レストランは約11万2,400店で、2023年の約12万2,000店から減少しました。ただし見出しの数字だけを見てはいけません。減少はすべて中国によるもので、1万5,260店(19%)減っています。中国以外の21の国・地域は合計で13%増え、インドネシア(+2,580店)と韓国(+1,590店)がけん引しました。出店先やハイヤリング先を検討する経営者にとっては、インドネシア、韓国、タイ、マレーシアで人材の取り合いが激しくなっている一方、中国の縮小は経験者が市場に出ている可能性を意味します。

このページは、アジアの複数の市場を比較して出店・拡大・採用の判断をしたい本部の企画担当者やHR、また特定の国の数字を確認したい方向けです。農水省2025年調査のアジア国別データと、それぞれの動きが採用にどう影響するかを扱います。世界全体の合計と国別トップ10、調査の推移は調査の概要記事にまとめており、本記事では繰り返しません。各国のビザ、給与、候補者層はその国のガイドに詳しく載っています。

目次

  1. 2025年調査におけるアジア
  2. 中国とそれ以外のアジア
  3. 国ごとに見る採用の難しさ
  4. 東アジア・東南アジア・南アジア別に見る
  5. 国別データの全体表
  6. 大洋州は別集計
  7. 採用計画への影響

1. 2025年調査におけるアジア

農水省の2025年調査によると、アジアの日本食レストランは約11万2,400店で、2023年の約12万2,000店から約9,600店、率にして約1割減りました。それでもアジアは世界全体(約18万1,000店)の62%を占めています。地域全体の減少について農水省が挙げる理由は、中国における経済停滞ひとつだけです。国別表を見ると、この一つの説明で足りる理由がわかります。

2. 中国とそれ以外のアジア

2023年2025年増減
中国(香港・マカオを除く)78,76063,500−15,260(−19%)
掲載されているその他21の国・地域43,27048,890+5,620(+13%)
掲載22の国・地域の合計122,030112,390−9,640(−8%)

数値は農水省の国別の行を合計したものです。農水省は各行の一の位を四捨五入しているため、合計は地域全体の公表数字とわずかに異なります。中国を除くと、アジアは2年間で約13%増えています。「アジアの日本食市場は縮小している」という言い方は、実際には中国のことを言っているにすぎません。

3. 国ごとに見る採用の難しさ

店舗数の増加は、同じ経験豊富な和食調理人の取り合いが激しくなっていることを示す、最もわかりやすい公開シグナルです。以下は各国のビザルートと、その国のガイドが最初に示す一つの給与の数字です。総費用と日程は各国ガイドで確認してください。

市場2025年(2023年比)日本からのビザルート給与の下限・目安
中国63,500(−15,260)通常の外国人労働許可。料理人専用の区分はなし公式な給与下限は確認できず
韓国19,800(+1,590)E-7(職種451)。店舗の床面積、VAT納税、韓国人雇用数の条件あり2026年の給与下限 年2,589万ウォン(E-7-2/E-7-3)
台湾7,100(−340)専門的技術的業務(第4条第15号)。営業額1,000万台湾ドルの基準あり最低月47,971台湾ドル
インドネシア6,580(+2,580)RPTKA/KITAS労働許可州の最低賃金に連動。詳細はガイド参照
タイ5,920(+590)Non-Bビザ+労働許可。外国人1人につきタイ人4人日本人の下限は月5万バーツ
マレーシア2,200(+310)給与区分によるEmployment Pass2026年6月1日からカテゴリーIIIは月5,000~9,999リンギ
ベトナム1,820(+200)政令219/2025/ND-CPに基づく労働許可料理人専用の下限は確認できず
シンガポール1,140(−70)S Pass。料理人はShortage Occupation Listの対象外月3,300~4,800Sドル。2027年1月から3,600~5,100Sドルへ

インドネシアと韓国は店舗の増加が最も速く、採用にかかる期間を長めに見込み、競合オファーがある前提で動いてください。中国の19%の縮小は「採用しやすい」ことを意味しません。市場規模は今もベトナムの9倍あり、閉店した店の調理人がどこへ行ったかはデータからはわかりません。中国国内で経験者を募集してみる理由にはなりますが、人材不足を期待する理由にはなりません。

4. 東アジア・東南アジア・南アジア別に見る

農水省はこれ以上細かい地域別の合計を出していません。国別の行をグループにまとめると、アジアの動きがよりはっきり見えます。

グループ(当社による区分)国・地域2025年2023年からの増減
中国163,500−15,260
中国以外の東アジア韓国、台湾、香港、マカオ、モンゴル28,820+1,410(+5%)
東南アジアインドネシア、タイ、マレーシア、ベトナム、シンガポール、フィリピン、カンボジア、ミャンマー、ブルネイ、ラオス19,170+3,910(+26%)
南アジアインド、ネパール、スリランカ、バングラデシュ、モルディブ、パキスタン900+300(+50%)

東南アジアは4,000店近く増え、その3分の2がインドネシア一国によるものです。中国以外の東アジアは緩やかな伸びで、韓国の増加を台湾の減少が一部打ち消しています。南アジアは規模こそ小さいものの、インドを中心に低い水準から急速に伸びています(+220店、+54%)。

5. 国別データの全体表

農水省は香港とマカオを中国とは別に集計しています。ここでは100店以上の国・地域に絞って掲載します。それ未満では、一の位を四捨五入する農水省の集計方法上、増減率がほぼ意味を持たなくなるためです(50店から100店への変化でも「+100%」になります)。

国・地域2023年2025年増減
中国78,76063,500−15,260(−19%)
韓国18,21019,800+1,590(+9%)
台湾7,4407,100−340(−5%)
インドネシア4,0006,580+2,580(+64%)
タイ5,3305,920+590(+11%)
マレーシア1,8902,200+310(+16%)
ベトナム1,6201,820+200(+12%)
香港1,4001,480+80(+6%)
シンガポール1,2101,140−70(−6%)
フィリピン760940+180(+24%)
インド410630+220(+54%)
カンボジア280370+90(+32%)
マカオ310340+30(+10%)
モンゴル50100+50(+100%)

2025年時点で100店未満のさらに8つの国・地域(ネパール、ミャンマー、スリランカ、ブルネイ、バングラデシュ、ラオス、モルディブ、パキスタン)を合わせると約470店で、2023年の約360店から増えています。国別の数字が存在するのは2023年からで、農水省の2023年の表には、2021年調査までは国・地域別店舗数の公表を前提とした調査ではなかったと注記されています。

6. 大洋州は別集計

農水省は大洋州を独立した地域として集計しています。約2,800店で、約300店(約1割)の増加です。農水省は訪日旅行者の増加を要因に挙げています。

国・地域2023年2025年増減
オーストラリア2,0002,230+230(+12%)
ニュージーランド480500+20(+4%)
フィジー10100

オーストラリアのビザルートと費用はオーストラリアの採用ガイドをご覧ください。

7. 採用計画への影響

農水省のこの調査は2年ごとに公表され、2025年版は2025年11月28日発行のため、次回は2027年11月ごろと見込まれます。ビザの給与下限はより頻繁に変わります。韓国のE-7下限とマレーシアのEmployment Passの区分はほぼ毎年見直され、シンガポールのS Pass下限は2027年1月1日にも上がります。提示額を決める前に、上記の各国ガイドで最新の数字を確認してください。本記事の次回確認は2027年11月、リンク先の国別ガイドで下限が変わればそれより前に更新します。

よくある質問

2025年時点でアジアの日本食レストランは何店ありますか。

農水省の2025年調査によると約11万2,400店で、2023年の約12万2,000店から減少しました。減少はすべて中国によるもので1万5,260店(19%)減。中国以外の21の国・地域は合計で約13%増えています。

アジアの日本食市場は本当に縮小しているのですか。

中国を除けば縮小していません。地域全体の減少は中国の経済停滞だけで説明がつきます。インドネシア、韓国、タイ、マレーシアはいずれも2023年から2025年にかけて店舗を増やしています。

アジアで日本人料理人の争奪が最も激しくなっているのはどこですか。

実数ではインドネシア(+2,580店、+64%)と韓国(+1,590店、+9%)が最も増えています。どちらも同じ経験者を多くの店が追いかけている状態を意味するため、採用にかかる期間を長めに見込んでください。

市場が縮小している中国でも経験者を採用できますか。

可能性はありますが、閉店した店の調理人がどこへ移ったかは確認できていません。2年で19%減という規模は、日本から採用する前に現地で経験のある和食調理人を募集してみる価値がある規模です。詳しくは中国の採用ガイドをご覧ください。

日本から直接料理人をスポンサーできるアジアの国はどこですか。

韓国(E-7)、台湾、タイ、マレーシア、シンガポールにはそれぞれ独自の給与・人数要件を伴うルートがあります。上の国別表と各国ガイドをご覧ください。中国とベトナムについては、料理人専用の給与下限を確認できていません。

この農水省データはどのくらい新しいものですか。

2025年調査は2025年11月28日に公表された、農水省の最新版です。調査は2年ごとに行われるため、次回は2027年11月ごろと見込まれます。

本記事は一般的な情報であり、投資や法律に関する助言ではありません。店舗数は農林水産省が公表した丸めた数字をそのまま引用しています。増減率、グループ合計、国別の採用比較表は、それらの数字と各国ガイドをもとに当社がまとめたものです。

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