市場データ・制度

中東・アフリカの日本食レストラン数 採用データ2025

中東・アフリカはいずれも農水省2025年調査で約2割増。トルコがイスラエルを抜き中東最大に。南アフリカは両地域で唯一縮小。国ごとのビザルートも一言で整理。

最終更新 2026年9月27日 WashokuJob

農水省の2025年調査によると、中東の日本食レストランは約1,600店、アフリカは約800店で、どちらも2023年比で約2割増えました。トルコ(480店)がイスラエル(320店)を抜き、中東・湾岸地域で最大の市場になりました。湾岸諸国(UAE、クウェート、サウジアラビア、バーレーン、カタール)を合わせると620店です。この2地域は調査の中で最も小さく、1国あたり多くても数百店という規模のため、和食の実務経験を持つ現地の調理人はほぼどこでも限られています。採用のペースを決めるのは需要の多寡ではなく各国のビザ制度だと考えてください。

このページは、湾岸諸国、トルコ、アフリカへの出店・拡大・採用を検討するオーナーやF&B責任者向けです。農水省の中東・アフリカ国別データと、現地の人材層の薄さが採用にどう影響するかを扱います。世界全体の合計と国別トップ10は調査の概要記事にまとめており、本記事では繰り返しません。ドバイの給与・費用の詳細はドバイのガイドに、その他の湾岸・アフリカ各国は下記の各国ガイドにあります。

目次

  1. 小さな2地域、どちらも約2割増
  2. 中東の国別データ
  3. アフリカの国別データ
  4. 国ごとのビザルートを一言で
  5. 小さな数字の読み方
  6. 採用計画への影響

1. 小さな2地域、どちらも約2割増

地域2023年2025年増減農水省が示す要因
中東約1,300約1,600約+300(約2割増)健康志向の高まりによる日本食需要の増加
アフリカ約690約800約+110(約2割増)食の多様化による日本食需要の増加

2地域を合わせると約2,400店で、世界全体の約18万1,000店のうち1%強にあたりますが、北米や欧州より速いペースで伸びています。2013年以降、中東は約6.4倍、アフリカは約5.3倍に増えており、世界全体(3.3倍)を上回るペースです。どちらも2021年から2023年にかけて伸びが止まり、2025年に再び増加に転じました。

2. 中東の国別データ

農水省は10店舗以上の国・地域を掲載し、一の位を四捨五入しています。農水省はトルコを欧州ではなく中東に分類しています(欧州のデータ記事を参照)。

国・地域2023年2025年増減
トルコ260480+220(+85%)
イスラエル3203200(0%)
アラブ首長国連邦170190+20(+12%)
クウェート150170+20(+13%)
サウジアラビア150170+20(+13%)
レバノン8090+10(+13%)
ヨルダン7080+10(+14%)
バーレーン4050+10(+25%)
イラン3040+10(+33%)
カタール3040+10(+33%)
イラク掲載なし20表示なし

中東の純増の約3分の2をトルコが占め、イスラエルを抜いて地域最大の市場になりました。トルコ以外では増加が広く分散しており、湾岸・レバント地域のほぼすべての市場が10〜20店ずつ増えています。表に載っている湾岸諸国(UAE、クウェート、サウジアラビア、バーレーン、カタール)の合計は620店で、80店の増加です。UAEの数字は国全体のもので、農水省はドバイとアブダビを分けていません。

3. アフリカの国別データ

国・地域2023年2025年増減
南アフリカ260230−30
モロッコ190200+10
エジプト5060+10
モーリシャス3060+30
チュニジア3040+10
ケニア2030+10
ナイジェリア2030+10

南アフリカは今もアフリカ最大の市場ですが、減少したのは同国だけです。モロッコがそれに迫っています。北アフリカ(モロッコ、エジプト、チュニジア)の合計は300です。掲載されているアフリカの行を合計すると約650店で、農水省の地域全体の推計(約800店)との差は、国別表に載らない10店未満の多くの国の分で、その大半はサハラ以南のアフリカです。オマーンは2023年、2025年のどちらの表にも載っておらず、ゼロではなく「不明」として扱ってください。

4. 国ごとのビザルートを一言で

各国はそれぞれ独自の許可制度を持ち、いずれも農水省のデータには含まれていません。政府手数料、住居、退職一時金など湾岸諸国特有の雇用主負担コストは店舗数とはまったく別の話で、企画段階ではこちらを店舗数に上乗せして考える必要があります。

市場2025年(増減)ガイド
アラブ首長国連邦(ドバイ)190(+20)ドバイの採用・費用・MOHRE手続き
サウジアラビア170(+20)サウジアラビアのガイド
カタール40(+10)カタールのガイド
クウェート170(+20)クウェートのガイド
バーレーン50(+10)バーレーンのガイド
トルコ480(+220)トルコのガイド
イスラエル320(0)イスラエルのガイド
南アフリカ230(−30)南アフリカのガイド
モロッコ200(+10)モロッコのガイド
エジプト60(+10)エジプトのガイド

湾岸諸国をはじめとするイスラム教徒が多数を占める市場では、ハラールの調達と厨房運営も、採用する職務の内容を左右します。ハラール対応の和食厨房の人員体制をご覧ください。

5. 小さな数字の読み方

6. 採用計画への影響

農水省のこの調査は2年ごとに公表され、2025年版は2025年11月28日発行のため、次回は2027年11月ごろと見込まれます。湾岸諸国の労働許可手数料、住居規定、退職一時金の計算方法はそれぞれの国の独自のスケジュールで変わるため、採用の予算を組む前に上記の各国ガイドを確認してください。本記事の次回確認は2027年11月、リンク先の国別ガイドで制度が変わればそれより前に更新します。

よくある質問

中東とアフリカの日本食レストランはそれぞれ何店ありますか。

農水省の2025年調査では中東が約1,600店、アフリカが約800店で、どちらも2023年比で約2割増えています。合わせても世界全体18万1,000店の1%程度です。

中東で最大の日本食レストラン市場はどこですか。

トルコです。2025年時点で480店、2023年から85%増えました。それまで最大だったイスラエル(320店、横ばい)を抜きました。

ドバイの日本食レストランは何店ありますか。

農水省はUAEを都市別に分けていません。国全体で2025年は190店、2023年から20店増えています。ドバイ固有の給与や費用はドバイの採用ガイドをご覧ください。

湾岸諸国で経験のある和食調理人を見つけるのは難しいですか。

一般には難しいといえます。湾岸のどの国も日本食レストランは1,000店を大きく下回る規模で、和食厨房の実務経験を持つ現地の調理人層は薄いため、上位の役職は各国の許可制度に従いながら海外から埋めることになると想定してください。

アフリカ全体が増える中、なぜ南アフリカだけ減ったのですか。

農水省は国別の理由を示しておらず、地域全体としての理由(食の多様化)があるだけです。南アフリカは両地域を通じて唯一縮小した市場で、減少幅(もともと少ない店舗数から30店)を踏まえると、日本から採用する前に現地で求人を出してみる価値があるかもしれません。

本記事は一般的な情報であり、投資・法律・移民に関する助言ではありません。店舗数は農林水産省が公表した丸めた数字をそのまま引用しています。合計とグループ分けは、それらの数字をもとに当社が計算したものです。

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