就労ビザ

ワーホリ人材を和食店で雇うときの国別ルール

日本とワーキングホリデー協定のある32か国・地域を外務省の一覧で確認し、豪州・カナダ・NZ・英国について、同じ雇用主で働ける期間や就ける仕事の制限を雇用主目線で比較します。

最終更新 2026年9月22日 WashokuJob

目次

  1. 日本とワーキングホリデー協定のある32か国・地域
  2. 主要4か国の比較表
  3. オーストラリア:6か月ルールと飲食業の例外
  4. カナダ:オープンワークパーミット
  5. ニュージーランド:常勤ポジションは不可
  6. 英国:最長2年、延長なし
  7. 雇用主が共通して押さえること

海外の和食店にとって、ワーキングホリデー(ワーホリ)で渡航している日本人は、雇用主側のビザ手続きなしで雇える貴重な人材です。一方で、国ごとに「同じ雇用主で働ける期間」や「就ける仕事」の制限が異なり、知らずに雇うと本人の在留資格に傷がつくこともあります。

本記事では、外務省の一覧で協定国を確認したうえで、和食店の多い主要4か国(オーストラリア、カナダ、ニュージーランド、英国)について、雇用主が知っておくべき就労条件を各国政府の公式情報で整理します。

1. 日本とワーキングホリデー協定のある32か国・地域

外務省によれば、2026年4月1日現在、日本は32か国・地域とワーキング・ホリデー制度を導入しています。導入順に、オーストラリア、ニュージーランド、カナダ、韓国、フランス、ドイツ、英国、アイルランド、デンマーク、台湾、香港、ノルウェー、ポルトガル、ポーランド、スロバキア、オーストリア、ハンガリー、スペイン、アルゼンチン、チリ、アイスランド、チェコ、リトアニア、スウェーデン、エストニア、オランダ、ウルグアイ、フィンランド、ラトビア、ルクセンブルク、マルタ、イタリアです。マルタとイタリアは2026年に加わりました。

年齢は原則18〜30歳です。ただしオーストラリア、カナダ、韓国、アイルランドは「18歳以上25歳以下、各政府当局が認める場合は30歳以下まで申請可能」とされています。年間の発給枠は国によって異なり、オーストラリア、ニュージーランド、ドイツなどは枠なし、カナダは6,283、英国は6,000、韓国と台湾は10,000、アイルランドは800です。

アジアの協定国(韓国、台湾、香港)での就労制度はアジア5か国・地域の就労許可まとめで扱っています。

2. 主要4か国の比較表

オーストラリアカナダニュージーランド英国
年間枠(日本)なし6,283なし6,000(抽選なし)
年齢18〜30歳(上記の注記あり)18〜30歳18〜30歳18〜30歳
滞在期間12か月(条件を満たせば2回目の申請可)最長12か月最長12か月最長24か月
同じ雇用主での就労原則6か月まで(飲食業は例外)制限なし(オープンワークパーミット)常勤ポジションは不可制限なし
雇用主側の手続き不要不要(LMIA不要)不要就労資格の確認

3. オーストラリア:6か月ルールと飲食業の例外

ワーホリビザ(日本国籍者はサブクラス417)には、ビザ条件8547が付いています。同じ雇用主のもとで6か月を超えて働くには、原則として内務省の許可が必要です。6か月は勤務を始めた日から暦で数え、フルタイム、パート、カジュアル、ボランティアのいずれも含みます。労働日数ではありません。

ただし内務省は、2024年1月1日から次の場合は許可なしで6か月を超えて働けるとしています。

内務省のページ(2025年9月23日更新)では、この例外は「政府がさらなる決定を行うまで」適用されるとされています。つまり、レストランで働くワーホリ人材は、現時点では同じ店で6か月を超えて働ける扱いです。例外は将来変更される可能性があるため、長期の雇用を前提にする場合は内務省のページで最新の状況を確認してください。

1回目のビザの滞在は12か月で、指定された業務(specified work)に3か月従事すると2回目のワーホリビザの申請資格が得られます。2回目のビザが発給されると6か月の計算はリセットされ、1回目で働いた雇用主のもとに戻ることもできます。ワーホリ終了後も雇い続けたい場合は、482ビザでのスポンサーが選択肢です。手順は豪州482ビザで日本人調理師を呼ぶ手順をご覧ください。

4. カナダ:オープンワークパーミット

International Experience Canada(IEC)のワーキングホリデーでは、オープンワークパーミットが発給され、カナダ国内のほとんどの雇用主のもとで働けます。雇用主はLMIAも、IECのほかのカテゴリーで必要な雇用主コンプライアンス手数料も不要です。

外務省は、2024年12月1日からカナダでは生涯2回の参加が可能になったと案内しています。12か月の間に本人の適性を見極め、その後もLMIAで雇い続ける計画を立てる店もあります。詳しくはカナダLMIAの実務とワーホリ活用をご覧ください。

5. ニュージーランド:常勤ポジションは不可

ニュージーランドの日本人向けワーキングホリデービザは、18〜30歳、最長12か月です。本人は生活費としてNZ$4,200以上の資金が必要で、申請料はNZ$770からです。

雇用主にとって重要なのは、「このビザで常勤の仕事(permanent job)に就くことはできない」という条件です。一時的な就労は認められていますが、期間の定めのない正社員ポジションとして雇う形は避けてください。就学・研修は通算6か月まで可能です。

6. 英国:最長2年、延長なし

英国のYouth Mobility Scheme(YMS)は、日本国籍者の場合抽選なしで申請でき、滞在は最長24か月です。ほとんどの仕事で働くことができ、同じ雇用主での期間制限もありません。一方、延長は豪州・カナダ・NZ国籍者に限られ、日本国籍者は延長も再参加もできません

英国では料理人(SOC 5434)の新規スポンサーが2025年7月以降事実上できないため、YMS終了後に就労ビザへ切り替えて雇い続ける道も狭くなっています。英国の採用戦略は英国で2025年7月以降に料理人を確保する方法で詳しく扱っています。

7. 雇用主が共通して押さえること

  1. 在留資格と期限を確認し、記録する:英国では確認を怠ると1人あたり最大£60,000の民事制裁金の対象になります。ほかの国でも、就労資格の確認は雇用主の基本的な責任です。
  2. 現地の労働法をそのまま適用する:ワーホリだからといって最低賃金や残業代の扱いが変わるわけではありません。豪州内務省も、ワーホリ保持者が豪州の職場法で保護されると明記しています。
  3. 国ごとの期間制限に合わせてシフトと契約を組む:豪州の6か月ルール(例外の有無)、NZの常勤不可、英国の2年上限。
  4. 終了後の道筋を早めに話す:本人が長く働きたいと考えている場合、就労ビザの可能性を早い段階で一緒に確認すると、信頼関係と定着につながります。

ワーホリ人材に向けた求人の書き方は海外向け求人票の書き方、面接のポイントは料理人の面接で聞くべき質問を参考にしてください。

本記事は2026年9月22日時点で外務省と各国政府の公式情報を確認して作成した一般情報であり、法務・移民に関する助言ではありません。ワーキングホリデーの条件は各国の判断で変更されます。雇用前に本人のビザ条件を各国政府のサイトで確認してください。

出典

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